2011/11/11 -5
【聖書】ヨハネによる福音書20:25
「二重人格」を意味する言葉にステイーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」という小説があります(1886年)。ジキル博士は善悪に性格を二分する薬を発明し負の人格ハイドを創造し、悪の衝動を解放し自らの破滅に終わります。少し前の小説にスタンダールの「赤と黒」を学生時代読んだことがあります。貧しい有能な青年が社交界に入ることを徹底的に阻止する偽善に満ちた社会の現状を暴露し処刑されたジュリアンが「死のほんの一歩手前のところで、自分自身と話し合っていてさえ、まだうわべをつくろったりするんだから」という言葉に何か「本音と建前」を見る寂しさを覚えたことがあります。
「わたしは、自分のしていることが分かりません。自分が望むことは実行せず、かえって憎んでいることをするからです」と真剣に悩み罪ある自分を「なんと惨めな人間なのでしょう」と告白したのは使徒パウロでした。「裏を見せ、表をみせて散るもみじ」(良寛和尚)です。
キリスト・イエスの弟子に「デイデイモと呼ばれたトマス」がいました。「デイデイモ」と言うのは「双子」の意味です。彼は「双子」だったかも知れませんが彼の生き様を見ると彼の性格的二面性を表現したものだと思います。キリストに実に忠誠な面を見せると共に実に懐疑的な面があります。しかし、それに応えるイエス・キリストの言葉は慰めと励ましをもって「わたしは道であり真理であり命です」と教え「信じるものになりなさい」と信仰の大事な真理の道を明らかにされました。古くから伝わる教会の暦はクリスマスを迎える待降節に入りました。その暦に「使徒トマスの日」記念日があります。12月21日です。「救い主」到来を考える好機のようです。
